千鶴の仲間たちだって、きっとお金で動いているだけだろう。


「そういう事だから」


有紀がそう言い、掴まれていた腕を解いて歩き出す。


高校生にもなってイジメなんて幼稚すぎる。


そう思った時だった……。


タバコのにおいがしてあたしは顔をあげた。


見るといつの間にか千鶴がタバコを口にくわえている。


次の瞬間、あたしの腕にその火が押し当てられていたのだ。


突然の事で一瞬目の前は真っ白になり、次に痛みが走った。


「きゃぁ!!」


悲鳴をあげて逃れようとした時、千鶴の仲間が後ろがら羽交い絞めにしてきた。


「ちょっと、何してんの!?」


あたしの悲鳴を聞いた有紀が慌てて戻ってくる。


「有紀! きちゃだめ!」


そう言った瞬間、今度は首に痛みが走りあたしは天を仰いで呻いた。


「奏!」


それを見た有紀が駆け寄ってきて、仲間の1人に同じように捕まってしまった。


このままじゃ有紀まで同じ目に合ってしまう!