再現教室~死のリプレイ~

「1年の時にね。それからずっとあたしはあの子の事が大嫌い!」


口調を強くしてそう言う千鶴。


リンちゃんが人の彼氏を取るとは思えない。


でも、男の子がリンちゃんに惹かれるのはよくわかった。


成績がいいだけでなく、とても美人だからだ。


色白で透明感のある肌に、細く長い手足。


大きいけれどたれ目な彼女は、守ってあげたいと思わせる外見をしている。


対して千鶴は美人だが性格のキツさが外見にも現れている。


きっと、千鶴の彼氏がリンちゃんを好きになってしまい振られたのだろう。


千鶴はそれを根に持っているのだ。


「あたしは、別にリンちゃんの事を嫌いじゃないよ」


あたしがそう言うと、「あたしも」と、有紀が言った。


その瞬間、千鶴の表情が険しくなった。


何をする気か知らないけれど、千鶴に関わるとろくでもない事が起きそうだ。


そんな気がして、あたしと有紀はその場を後にしようとした。


……が。


「待てよ」


千鶴のそんな声と同時に、千鶴の仲間に腕を掴まれあたしと有紀は立ち止まった。