助ける暇も、メンバーから抜ける事もできないまま……。


「千鶴。この《リプレイ》はあたしたちに罰(×)を与えるための《リプレイ》だよ」


「そんな……!」


千鶴の声は情けないほどに震えている。


千鶴は自分がイジメの中心だったことをしっかりと理解している、ということだ。


「千鶴、教えて欲しい事がある」


あたしは千鶴の前に立ってそう言った。


教室内でリンちゃんに対し威圧的な態度を取っていた千鶴が、今は小さくなっている。


「今までの《リプレイ》は一体なんだったの?」


「し……知らない!!」


千鶴は叫ぶようにそう言い、ブンブンと左右に首を振った。


まるで子供が駄々をこねているようだ。


「嘘つかないで。すべてにリンちゃんの事が関係しているとしたら、一番よくわかってるのは千鶴でしょ? あんたが、リンちゃんイジメを周囲に強要してたんだから」


あたしは自分がやられた事を思い出して拳を握りしめた。


あれは2年にあがってすぐの事。


あたしと有紀は千鶴に呼ばれて校舎裏へ向かったんだ。


千鶴はクラスのリーダー的存在で、とっても目立っているのはわかっていたから、あたしたちは千鶴の機嫌を損ねないよう、言われた通り校舎裏へと来ていた。