そして数分後。


信一の死体が真の横に並んでいた。


千鶴は一切手を触れようとしなかったので、あたしと続が移動させたのだ。


次の《リプレイ》に支障がでるかもしれないため、教室の中央に放置しておくことはできないから。


あたしは有紀や真や信一の血でぬれた自分の手を見つめた。


3人分の血が入り混じった教室内で、あたしは千鶴を見た。


千鶴の涙はもう消えていて、窓の外をぼーっと見つめている。


あたしは大股に歩いて千鶴へと近づいた。


「千鶴。あんた何したの?」


そう聞く自分の声が怒りで震えていて、自分でも驚いた。


誰かに対して憶測だけでここまで怒った事は生まれてはじめてだ。


「え?」


千鶴が首を傾げてあたしを見る。


千鶴の顔はメークがすべて落ちてしまっているが、それでもやっぱり可愛らしかった。


可愛いのは罪じゃないが、その容姿を駆使して信一と真を思うように扱っていたことは許されない。