再現教室~死のリプレイ~

さっきはドアや窓や開かない事で頭がいっぱいで、ちゃんと景色を見ていなかった。


「どういう事だよ……」


続が奥歯をかみしめる。


ここは大きな建物の一室か、または小高い丘の上に立っている建物だということがわかった。


どちらにしても、この高さだとあたしたちの姿が外から見えることはないだろう。


声を出しても、届く距離じゃない事は明白だった。


「ねぇ、ここどこよ!? なんで閉じ込められてるの!?」


千鶴が悲鳴に近い声を上げる。


「そんな事こっちにだってわからないわよ!!」


有紀が声を荒げて千鶴にそう言った。


なにもわからない状況だから、イラついているのがわかる。


もっと冷静にならないといけない。


あたしはそう思い、深呼吸をした。


「奏」


続に声をかけられて、あたしは視線をうつす。


続はジッと窓の外を見ている。


「なに?」


「この景色に見覚えはないか?」


そう聞かれて、あたしはもう一度窓の外を見下ろした。


何度見てもどれも見覚えのない建物ばかりだ。


「ないよ」


あたしは左右に首をふってそう返事をした。