千鶴の言葉に一瞬にしてその場が凍りついた。


さっき教室内をくまなく探したけれど、監視カメラのようなものはどこにもなかった。


もしかしたら、あたしたちが見た事もないような小型カメラかもしれない。


でも、どこにそれがあるのかは、わからない。


途端に誰にどこから見られているかわからない気持ち悪さが体中を駆け巡った。


「どこかに、カメラが……」


あたしはそう言いながら教室の中を見回した。


「それってどこ!?」


千鶴が叫ぶ。


「わかんないよ!」


あたしも大きな声で返した。


「あたしたちの事を見ながら犯人は笑ってるんだ……」


千鶴は呟くようにそう言った。


最初、続は千鶴が犯人に最も近いと推測していたが、今まで見ていると犯人とは一番遠い存在に見えていた。


「大丈夫だよ千鶴。まだ俺がいるから」


信一がそう言い、千鶴をなだめる。


「『まだ俺がいる』って、どういう意味だよ」