自分のその考えた正しかったと知ったのは、それからすぐスピーカーが真への制裁をつたえたからだった。


真の右頬に大きな×印が浮かび上がるのを見て、あたしは数歩後ずさりをしていた。


「真……っ!」


信一が駆け寄ろうとした瞬間、頬の×印が見る見る膨れ上がり、パンッ!と音を立ててはじけた。


真の右頬が裂けると同時に、右目が転げ落ちた。


真の絶叫が教室中に響きわかり、真はその場に転げまわった。


頬が裂けて顔の半分が亡くなっても真はまだ生きていた。


机や椅子を蹴とばし、痛みに悲鳴を上げる真の体に次々と×印が浮かび上がり、それは次々と風船のようにはじけ飛んだ。


有紀の時と同じように血肉の匂いにむせ返る。


あたしは我慢ができなくなり、教室の隅に走るとその場で嘔吐した。


その間にも肉が裂ける音は絶え間なく響いてくる。


あたしはその場に膝をつき、両耳を塞いだ。


もう……やめて!!


その思いは犯人に届くことなく、しばらくして真は動かなくなったのだった。