確かにその通りだ。


あたしたち6人も教室にいたのに鍵をかけるなんて、普通じゃ考えられない。


そう思っていると「窓の鍵がない……」そんな千鶴の声が聞こえてきて、あたしたちは目を見交わせた。


「どういう意味?」


そう言いながら千鶴に近づいてみると、廊下へ側の窓のにあるはずの施錠がどこにも見当たらないのだ。


窓の鍵は簡単なもので、上にあげれば鍵がかかり、下に下げれば鍵があく、よくあるものだった。


しかし、その鍵自体がついていないのだ。


「どうなってるの?」


あたしはす呟きながら窓に手をかけて力を込めてみた。


しかし、窓はびくともしない。


男子たちが力をあわせて開けようと試みても、それは無駄なこととして終わってしまった。


校庭側にある大きな窓にも鍵はなく、やはり開ける事はできなかった。


「どうなってんだよ……」


続が茫然としてそう呟いた。


あたしも全く同じ気持ちだった。


真や信一がスマホを取りだして外部と連絡を取ろうとしているが、電波がない事はすでにわかっていた。