☆☆☆

それから数十分後。


あたしたちは教室内のほとんどの場所を探し終えていた。


続の言葉で少しだけ生まれていた期待が、探すたびに薄れていくのがわかる。


疲労ばかりが蓄積されて、肝心の出口は見当たらない。


「ないね……」


床を最後まで調べ終えたあたしは脱力してその場に座り込んでしまった。


「全然ダメじゃん」


千鶴はそう言い、イライラしたように床を蹴った。


「天井も、開きそうな場所はどこにもないな」


真がそう言い、信一が肩を落とした。


「続、壁はどう?」


千鶴にそう聞かれ、教室の前方にいた続がこちらを振り向いた。


その目にはほんの少し輝きが見えた気がして、あたしは立ちあがった。


「なにか見つけたの?」


「あぁ。あれを見てくれ」


続はそう言い、壁の上の方を指さした。


それに導かれるようにして視線をやると、そこには小さな換気扇が付けられ、羽がクルクルと回っているのが見えた。