「冷静に考えたってどうにもならない。ドアも窓も、床も天井も壊す事はできなかった」


真がそう言い、散乱したままの教室内を見回した。


机や椅子を使ってあちこち殴りつけていたが、どこも傷1つついていない状態だ。


「たとえば、無理やり開けるのは無理でも隠し扉があったりしないかな?」


そう言い、続は立ち上がった。


前方の壁から後方へとゆっくり歩きながら腕で押したりして確認をしている。


それ見てあたしは床に這いつくばった。


続の言う通り普通じゃ見つけられないドアがどこかにあるかもしれない。


「じゃぁ、あたしは天井を調べる」


千鶴がそう言い、教卓の上に乗った。


すると真が慌てて「俺がやるから!」と、千鶴を机から下ろした。


「そうだね。千鶴は床を調べるのを手伝ってくれる?」


「わかった」


「それなら、俺が真と一緒に天井の半分を調べる」


と、信一。


こうして、あたしたちはそれぞれに教室の中をくまなく探す事にしたのだった。