やっぱり、《リプレイ》をちゃんと行っていなかったのは有紀1人だけみたいだ。


「《リプレイ》の性格率が低いと死ぬ……そういう事みたいだな」


真がそう言い、誰もがそれに反論しなかった。


「でも、そんな事なんのためにするの?」


あたしは誰ともなく、そう聞いた。


放課後の教室を《リプレイ》させられる理由もわからないし、《リプレイ》の正確性が低いと殺されるなんて理不尽すぎる。


「わからない。どうして俺たちだけがここへ監禁されてしまったのかも、見当もつかない」


続はそう言って左右に首をふった。


クラスメート全員がここへ集められているならともかく、2年A組のあたしたちだけ連れてこられたと言うのは一体どういう事なんだろう?


あたしたちは日ごろそれほど仲がいいわけでもないし、共通点と思えるものは同じクラスにいるということくらいだ。


「2年A組の誰でもいいから適当に連れてきて監禁した。それだけじゃないの?」


そう言ったのは千鶴だった。


千鶴はさっきまでの怯えた表情ではなく、犯人に対する怒りを秘めた鋭い表情を浮かべている。


「無差別監禁ってわけか?」


真が言う。


でも……違う。


あたしは心の中でそう思った。


これだけ大掛かりな場所を用意しておきながら、監禁す相手は誰でもいいなんて矛盾していると思う。


あたしたちの共通点はきっとどこあにあるはずだ。


今はまだそれが見えてこないけれど……。


そう思い、あたしは面々を見回したのだった。