授業の話や課題の話がほとんどだったけれど、あたしたちの距離は縮まっていた。


それが、こんな形で終わるなんて考えたこともなかった。


「どうして有紀が死ななきゃいけなかったんだろう……」


そう呟くと、信一が千鶴から離れてこちらへ近づいてきた。


「有紀が死んだのは間違いなく《リプレイ》に失敗したからだと思う」


あたしは信一を見上げた。


顔色は悪いけれど、目の力はしっかりと宿っているのがわかる。


「《リプレイ》に失敗したら、殺される……」


千鶴が呟く。


「今日の放課後、有紀は奏と会話をした後、どうしてた?」


信一にそう聞かれ、あたしは覚えている限りの事を話した。


有紀はあたしと課題についての話をした後、他のクラスメートに呼ばれていた事。


あたしはそのまま教室を出たから会話の内容までは知らないけれど、有紀はそのシーンを《リプレイ》していなかった。


「俺は今日の放課後真と信一を遊びに誘ったんだ。でも断られて、俺たちはそれを思い出しながら《リプレイ》した。千鶴はどうだ?」


真と2人、教室の中央あたりに立っている千鶴へ向けて、続は聞いた。


「あたしは……マキたちと一緒にショッピングに行くことになってたから、数人ですぐ教室を出たの。


マキたちはここにいないけれど、会話の内容を思い出しながら《リプレイ》したわ」


千鶴はそう答えた。