「くそ! どうしても開かない!!」


真が叫んで机を振り上げる。


その瞬間、続が「やめろ!!」と、大きな声で叫んだ。


その声に真と信一が動きをとめてこちらを見た。


「やめたほうがいい。アナウンスの声は最初に法律に違反することはするなと警告をしてきてる。教室を壊す事は器物損壊に当たるかもしれない」


青い顔をしているが、しっかりとそう言いきった続。


「じゃぁどうするのよ!? このままこの教室にいろっていうの!?」


千鶴が涙を流しながら叫んだ。


綺麗にまかれていた髪は今の間にボサボサになり、化粧も剥げてきている。


「……わからない……」


あたしを抱きしめたあまま、続が力なくそう言った。


「わからないならほっといてよ!!」


千鶴はそう言い、椅子を持ち上げて窓へ投げつけた。


椅子はガンッ!と音とを立て、そのまま床へと転がった。


千鶴はそれを拾い上げ、窓へ向けて叩きつける。


「誰か! 誰か気づいて!!」


その叫び声は教室内に反響して、空しく消えていくだけだった。


「千鶴。やめろ」


千鶴の腕を掴んでそう言ったのは真だった。


千鶴は椅子を振り上げたまま、真を見た。