再現教室~死のリプレイ~

それにつられて、あたしと有紀も動き出す。


あたしの席は窓際の真ん中の席、


続は教室中央。


有紀はあたしと同じ列の一番後ろの席だ。


それを見た千鶴が「バカみたい」と、呟いた。


真がその言葉に笑い声を上げる。


あたしはそんな2人から視線を外した。


この部屋から出られないのだから、あの声に従うしか道はない。


そのことは千鶴だってよく理解しているだろう。


イライラするだけ時間がもったいない。


そう思い、机の木目を見た。


と、その時だった。


千鶴と一緒にいた信一があたしの隣に座った。


教室内での信一の机がある場所だ。


「なんか、嫌な予感がするな」


信一が小声呟く。


それはあたしにしか聞こえないくらい小さな声だった。


「嫌な予感?」


「あぁ。なんだかわからないけど、胸騒ぎがする」