再現教室~死のリプレイ~

わけがわからない。


そう思った時だった。


突然スピーカーから砂嵐のような雑音が聞こえてきて、あたしたちは息を止めた。


全員の視線が柱の上に取り付けられているスピーカーに向かう。


「なんだ……?」


真が呟く声が聞こえてくる。


しかし、誰もが息を殺してスピーカーを見ているだけだった。


そして、雑音がプツリと止まった。


教室の中に静けさが下りてくる。


今のは一体……?


そう思うと同時に、スピーカーから機械的な声が聞こえて来た。


《砂川高校2年A組のみなさまこんにちは。これからみなさまには『リプレイ』をしていただきます》


男か女かの判断もつかない声が、抑揚のない口調でそう言った。


「リプレイ……?」


千鶴が呟く声が聞こえてくる。


あたしはチラリと千鶴の方へ視線を送った。


今のところ一番犯人像に近いのは千鶴だ。


千鶴は椅子に足をくんで座り、腕組をしてスピーカーを見上げている。


その表情は睨んでいるようにも見える。