教室を出ると、そこにはタオルと着替えが準備されていた。


男子用と女子用が一着ずつ用意されていて、あたしは女子用の制服に身を包んだ。


タオルで血を拭き取っても、その感覚が取れる事はなかった。


あたしはドアの前で振り返り、血にまみれた教室を見た。


ほんの数時間前まで同じ教室で授業を受けていた全員が、血肉を飛び散らせて死んでいる。


叫びたい気持ちがあったけれど、今はそんな元気も残されていなかった。


すべてが終わった。


その思いで満たされ、体中が重たかった。


そして、あたしは1人歩き出した。


みんなを残し、みんなとの思い出が詰まったスマホも残して。