みんなのポケットにスマホが残っていたのは、そういう理由があったからだったんだ……。


スマホでスピーカーも時計も、みんなの生死さえ、操っていたんだ……。


学年一番の秀才だったからこそ考え付いた、恐ろしい殺害計画だ。


「次は……あたしを殺すの?」


そう聞くと、リンちゃんは左右に首を振った。


「奏ちゃんのスマホはもう壊しちゃった。本人のスマホじゃないと効果は出ないようにしてある」


「じゃ……じゃぁ……」


「次は、あたしの番……」


そう言い、リンちゃんがスマホを操った。


「待って!」


あたしが止めに入るより早く、リンちゃんの額にバツ印が浮かんできた。


「リンちゃん!!」


「あ、言い忘れていたけれど、お父さんはあたしの計画を何も知らなかった。この場所を貸してくれただけだから」


そう言うリンちゃんは微笑んでいた。