でも、さっきの続の推理と当てはめて考えてみると、どんどん千鶴が怪しく見えてくる。


「犯人の目的ってなんなんだろう……」


有紀が疲れ切った表情でそう言った。


「それがわかれば、あたしたちも何かできる事があるんだろうけれど……」


あたしは困ったようにそう返事をした。


スマホで時間を確認するとここで目が覚めてから1時間ほどが経過していることがわかった。


しかし、今のところ犯人からの要求とか、そういったものはなにもない。


「あの時計、止まってるんだな」


続がそう言い、黒板の上の時計を指さした。


あたしと有紀はそれにつられて視線を上げる。


「本当だ」


さっきは気が付かなかったけれど、時計は12時ピッタリの所で針が止まっている。


「どうして時計だけ合わせてないんだろう……」


続が不思議そうにつぶやいた。


「あたしたちに時間を知らせたくないから……って、それならスマホを取り上げてればいいだけか」


あたしは自分の手の中にあるスマホを見てそう言った。