「そっか。」 何を悟ったのか分からないけど、 小さくつぶやく健斗。 「つーかさ、初めて俺の名前呼んだと思ったら先輩のためかよ。 つまんねーの。」 そういって、私を優しく抱きとめる健斗。 「もっかい、呼んでよ。健斗って。」 「なっ、。」 耳元で囁かれるのは、ずるい。 そう言えば先輩にも、こんなふうに囁かれたことがあった。 あの頃に戻りたい、なんて。 理不尽なことを思ってしまう自分がいた。