そんな今までの人とは明らかに違う反応に一瞬シュリは顔をしかめる。
ッ。
だがすぐに表情は冷たいものに戻り、また冷酷な光がシュリに戻った。
「口だけは達者なようだな」
シュリは目を細めて嘲るような笑みをアスラに向ける。
蔑むような口調。
向けられた方は決して良い気はしない。
「私はあんたらみたいなお堅い人間とは違うんだ。
このくらい達者じゃなけりゃやっていけない」
見下すようなシュリの言葉とその態度に、フンッと顔を背けるアスラ。
そんな予想とは違う反応。
シュリは思わずムッとする。
「.....見たところ、お前は女のようだが気品の欠片すらないようだな。
さすがは薄汚い盗賊だ」
自分の中で珍しく込み上げてきたムッとする感情。
それを胸の淵で留めて再び嘲るようにアスラを見る。
薄汚れた服に、埃で軽く汚れた肌。
手入れの行き届いていない、ボサボサの髪に一切化粧もしていない。
そんなアスラの姿を上から嘗めるように見て、鼻で笑ってそう言う。
ムッとした感情を抑えているつもりのシュリだが心なしか抑えた感情が面に出てきてしまった。
挑発的な口調になっていることにシュリ自身気が付いて少し驚いた。
普段感情をあまり面に出さないシュリにとって珍しいことだった。
「フンッ、大きなお世話。
.......私は女なんてもの、とっくに捨ててるんでね。
あんたに言われなくとも、それくらい知っている。
だいたいあんたみたいなのに女として見られたって全然嬉しくないわ」
そんなシュリの挑発的な口調にアスラはほんの少しだけ顔を歪める。
ッ。
だがすぐに顔に笑みを浮かべ直して、シュリよりも更に挑発的な口調で言った。
「..........」
やはり今まであった悪人たちとは何か違う。
そう思って、シュリはアスラを凝視した。
「───。フンッ。
なかなか面白い奴だな。
......お前、名は何という?」

