「ふわぁぁぁぁ!」




ふこふこ、ふこふこと鼻を鳴らすウサギ。





パンダみたいな模様の子やタイツを穿いたようなツートンの子、真っ白で目の赤い子




どの子にしようか迷ってしまう。




「どの子がいいかなぁ!


迷っちゃうなぁ………」



ケージに顔を限界まで近付けて、眺める。




「こら、ウサギが怯えるだろう」



父さんに襟首をぐっ!と引かれ、「ぐへっ」と色気の欠片もない声が口から抜けた。





「クスクス……」



犬を見ていた他のお客さんに笑われてしまい、思わず俯く。



不意に、1羽の真っ白なウサギと目が合った。





「…………あ、かわ…可愛い。」



小さく呟くと、「この子ですか?」と近くにいた店員さんがこっちに近寄った。






「この子ください!」




そのウサギの入ったケージを指さすと「はい。」と店員さんはケージを持ち上げた。







この時は、まだ気付きもしなかった。




このウサギの秘密を………