「その‥‥いまいち実感がわかないんだよね」 「実感?」 「うん‥‥一目惚れとは言われたけどさ、」 --‥‥"好き”とは言われていないのだ。 さらに言えば、私のどこに惚れる要素があったのか。 「だからね‥‥ピンとこない、って‥‥」 「‥‥り、ん‥‥」 顔をそらす志乃。その肩は微かに震えていた。 あぁ、‥‥もう! 「そんなに笑い堪えるなら、もう思いっきり笑ってよ!?」 「っ‥‥はははっ‥‥ごめ、ん‥‥ッ」