「‥‥でも、」 「ん?」 莉音さぁ、と志乃が口を開く。 「ライバルがどうのこうの言ってるようだけど、別のことで悩んでるように見えるよ」 「え‥‥」 志乃に心の中を見透かされてるのかと思った。 私の反応を見て彼女は「やっぱりね」と言いながら、私の頬を軽く引っ張る。 「いたっ、‥‥別のことで悩んでるって何で分かったの?」 「莉音と何年幼なじみしてると思ってるわけ?」 幼なじみの勘、と志乃は言う。