頭の奥の方が強烈に痛くて目が覚めた。


「お、目覚めたか?」


「うん…俺倒れてたのか?」


「椅子ごと倒れてたぞ、それより、ちょっと採血させて?」


「なんで?」


「翔、今までに貧血とか言われたことないか?」


「うん…」


「ちょっと、重い貧血かもしれないから、ちょっと調べたい。体起こせるか?」


「あぁ」


体を起して、手を出す。


「力抜いてな?」


チクっと刺された感じがする。


「あ、原因わかったわ、全然血が出ねえ…」


「え、ほんと?」


「見てよ」


ちらっと見ると、本当に血が出てない。


「ちょっと中断」


針を抜いて、綿で押さえられる。


「翔も医者なんだからごはんたべなかったら貧血になる事わかるだろ?ちゃんとたべろ、あと前も言ったけど無理しすぎだ。柚姫は今ちゃんと安定してるし、何かあってもすぐ翔に連絡行くだろ?だから安心しなよ、そして柚姫を信じてやってよ、な?」