キーンコーンカーンコーン………



4月 2日………


ヴァンパイアや人間の集う学舎で聞きなれたチャイムが鳴り響いた。


この日は入学式


人間は人間同士て、ヴァンパイアはヴァンパイア同士で門を潜っていた。



その中で1人、小さな身体をさらに小さくして一人の少年が道の端を俯いて歩いて行く




「はぁ……。」


その少年は小さく息を吐くと、チラッと前を見やった。




その目線をたどれば、道の真ん中ではヴァンパイアであろう少年、少女が楽しげに笑っている。





「いいなぁ。
僕も、ヴァンパイアだったらな……」





少年は泣きそうな声で、呟く。





刹那、少年の肩に衝撃が走った。





「いたっ!」



声を上げ、少し前によろめくと目の前には


少年の頭1つ、2つ分大きいだろうか。
その位の男が立っていた。





「邪魔なんだよ。

お前、ハーフだろ?」


ギロリ……と睨まれ、少年は縮めていた身をさらに縮めて、頷く。





「もっと道の端歩けよな。」




男はそう言うとさっさと歩き出す。




すると、道の真ん中を歩いていたヴァンパイアや人間達はサッ!と道の端に避け始めた。



その息が揃っていること………



まるで、そう訓練された軍兵のようだ。と少年はどこか関心していた。




どうやら、この男がこの学園のトップらしい





逆らわないでおこう。


と少年は心に誓い、再び歩き出した。










しかし、この時…………



既に目をつけられていたなどと


少年は夢にも思わなかっただろう。