キーンコーンカーンコーン…♪

「席につけ〜、HRを始めます」


入ってきた担任の先生は、メガネをかけた若そうな男の先生。


(ふーん、ソコソコのイケメンじゃん)


まぁ、だからどうだってことはないけど。


でも女の先生が良かったなぁ…。

少しガッカリしていると、


「じゃあ…誰かに号令かけてもらおうかな」


と、先生が言い出した。

まぁどうせ当てられないし…と、外のグラウンドを眺めていると、、、


「それじゃ、『どうせ当てられないだろう』とか思ってのんきに外を見てる山田!」

「は!?」


突然すぎることに、思わず声が裏返ってしまう。


「声裏返ってんぞ(笑)」


先生のツッコミで、クラスが笑いに包まれる。

なんでよりによって私なのよ!!!


「……ハァ…」

「ほら、早く号令」

「…起立…」


いかにも嫌そうに呟くと、


「初日なんだからもっと元気よく」


と、また注意された。


(じゃあ自分でやれよ…)


心の中で先生に反論してから、少し声のボリュームを上げて


「起立」


と号令をかけた。


先生はというと…


『まぁ、いいか』

と言いたげな顔でみんなを見つめていた。


満足はしていないようだけど、それ以上求めてくることもなくて安心した。