朔夜様とのことを思い出した私。
は、朔夜様と他の4人と共に境内の1室にいた。
「…………ふむ」
「だから、……いいですか?」
今話しているのは、朔夜様に嫁入りするしないのはなし…ではなく。
不本意だし、あの頃はずっと一緒ということがよくわかっていなかった事をふまえても。
朔夜様は私を待っていてくれたわけだから、断るのもどうかと思い。
嫁入りすることは、ほぼ強制的に決まった。
とまぁ、これはいい。
………いや、良くないけど。
今話しているのはお母さんのことだ。
とりあえず嫁入りするしないという問題は置いておこう。
それを母に言いに行きたいということである。
「…………………はぁ」
「…だって、その…急に居なくなったら心配されるし………」
朔夜様は先程から眉間のシワが取れないようで。
私はそのシワがひくひくと動く度少しだけ背筋が寒くなる。
………何故だろうか。
この人を怒らせたらやばいことになる気がするのは。
「………わかった」
「えっ、ほんと!?」
思わず前かがみになり聞き返すと。
「ただし」
そんな私をとめるように、眉間に朔夜様の指が当たった。
「あっても良いがコイツらを連れていけ」
コイツら、と朔夜様が指さしたのは、ユラちゃんとトキさん。
えぇ……まさかの。
だって、どー考えても目立つじゃん。
その2人。
…………ユラちゃんだけなら、友達でなんとかなる気がする。
「…………ユラちゃんだけっていうのは…」
「おやまぁ。愛由里様は私とは一緒にいたくないらしい」
私の言葉に、トキさんがわざとらしく、しくしくと泣き出した。
「いやそーじゃなくて…」
……うーむ。