ユキヤナギの丘で、もう一度君を好きになる

公園から私の家までは歩いて15分ほどだ。

見慣れた景色も、一緒にいる相手によって全然違うものに見える。気分が沈むはずの雨も、今日は町をキラキラとさせている。

「ハルの家、遠くなるんじゃない?」

「んー?どうかなぁ。大丈夫だよ」

公園から私の家は、ハルの家とは反対方向のはずだった。

徒歩のハルにはなかなかの距離になってしまうのに、気にもしていない様子で「歩くの好きなんだ」なんて言っている。


そんなマイペースなハルの隣を歩きながら、私はハルと次に会う約束をしていないことに気がついた。

「ハル……」

「ん?」

今日は思い切って私から誘ってみよう。


「明日、また会える?」


「……ああ、うん。うたは明日もバイト?」


一瞬。

ほんの一瞬だけ、答えに間があったのは気のせいだろうか。

「明日は、夕方までなんだ。それからでもいい?」

「うん、僕は何時でも大丈夫だよ」

いつもの笑顔だ。

「雨、やむといいね」

「うん、そうだね」

ハルの答えは、ちっともそう思ってないように聞こえた。

まるで、雨を楽しんでいるように。