ユキヤナギの丘で、もう一度君を好きになる

ふぅ、と小さなため息をついたハル。

「うたはなんでこの場所が好きなの?」

視線はずっと白い花。そして静かな、柔らかい声。

「んー、実は私もよく分からないんだよね。小さい頃から、なぜかユキヤナギの花が好きで。とくにこの場所は特別な感じ」

いつものように、ハルは私の話しを真剣に聞いてくれていた。

「そうか……」

ハルがこのユキヤナギを見つめている時は、物憂げな表情を浮かべていることが多い。

「ハルは?ユキヤナギが好き?」

「……うん、そうだね。たぶん、うたと同じくらい」

そう言って紫色へと変化してゆく空を見上げたハルは、儚げで今にも消えてしまいそうで。


「……ハル?」


私は少し怖くなり、思わずハルのシャツの袖をそっと掴んだ。


「……うた?」


心配そうな顔が、私を覗き込む。


「あ、ごめん」

慌てて掴んでいたハルの薄いブルーのシャツを離す。

ハルは、私の顔を覗き込んだまま言った。



「ずっと、好きでいてほしいな」


えっ⁈

心臓が、トクンと大きな音を立てる。



「……ユキヤナギ」

ゆっくりと、視線を花に戻すハル。

ああ、そうか。ユキヤナギか。