ユキヤナギの丘で、もう一度君を好きになる

「エスプレッソって、あの苦いやつ?」

「うん、そうそう」

「へぇ、そうなんだ」

私は持っているカフェラテの成分表を見てみたが、よく分からなかった。

エスプレッソ、と思いながら一口飲んでみたが、それでもやっぱりよく分からなかった。

「ん〜?分かんないや」

「あははは!だよね。僕も分からないよ」

ハルも一口飲んで笑った。


「可愛いな……うた」


えっ?

可愛い?

自然に、そう言ったハル。

言われ慣れない言葉に、私はどんな反応をしていいのか分からなかった。

心は跳ね上がるほど喜んでいるというのに。

ハルは私が無反応なことなど気にもとめない様子で、ストローをくわえながら花を見つめている。

ハルが放った言葉は、ハルにとっては私が感じるほどたいした意味合いはないのかもしれない。

だよね、そうだよね。

今更何かを答えるのも可笑しいので、私も黙ってカフェラテを飲みながら花を見つめることにする。


ハルといると時間はゆっくりと流れているような気がするが、日が暮れるのは早く感じる。

曇り空が、少しずつ薄暗さを増してきていた。


右隣から、ズズッとカフェラテを飲み干す音が聞こえた。