ユキヤナギの丘で、もう一度君を好きになる

お姉さんはとても頭の良い人で、大学院に入ることも勧めらていた。

しかし本人は旅先で出会った陶芸に魅了され、進学の道もあっさりと捨てて、今は有名な陶芸家の弟子として修行をしているらしい。

「やっぱりいいね、兄弟って」

ハルの話し方や言葉の選び方、そして表情からもハルのお姉さんに対する愛情というか、尊敬が伝わってきたからだ。

「うん、そうだね。でも小さい頃はケンカばかりしていたよ」

ひとりっ子の私が兄弟が羨ましいと言うと、たいていの人がそう答えるんだ。

「……兄弟ゲンカすら、羨ましいんだよね」

思わず、口に出てしまった。

「そっか。そうだよね、ごめん」

ハルを少し困らせてしまったみたいだ。眉がハの字に下がってしまっている。

「あ、ううん。今はね、両親の愛情を独り占めできるし、悪くないなって思えるようになってきたんだ」

これは、本音だった。

「うん……そうだね」

ダメだな、ハルが私の言葉をいつも真剣に受け止めてくれることは分かっているのに。