ユキヤナギの丘で、もう一度君を好きになる

私が買ってきた3種類のデザート。

何も聞かずとも私の前にはロールケーキが、お父さんの前にはシュークリームが、お母さんの前にはプリンが置かれた。


ああ、これがハルの言う『家族』なんだ。

何も言わなくても分かり合える。

それでもやっぱり、言葉にしないとダメな時もある。

もう、大丈夫。そう思えた。


「今日は、ごめんなさい。お父さんたちのこと、気になってたんだけど。友達と盛り上がっちゃって……なんだか帰れる雰囲気じゃなくって」

お母さんが紅茶を持って席に着いたのを見て、私は言った。

お母さんは紅茶を一口飲んで

「うん、分かってる。せっかくの友達との時間に、お母さんたちのこと気にさせちゃって……申し訳なかったなって、お父さんとも話してたのよ」

「うん、そうだね。家族も大事だけど、うたにはうたの、家族以外の世界があるんだもんな」

寡黙なお父さんも、珍しく口を開く。