ユキヤナギの丘で、もう一度君を好きになる

丘を降りる私に、ハルは見えなくなるまで手を振ってくれていた。

さすがに暗い夜道でハルの姿が見えなくなると心細さを感じた。

「よしっ!」と声に出し、自分に気合いを入れる。

ほんの1時間前にこの道を歩いている時の、心をグルグルさせている私に言いたい。


あなたは、間違ってなんかいない。


ハルが、そう教えてくれた。

もちろん、すぐにはできない。

少しずつ、ハルが言う私自身の素直な部分を、受け入れていけたらいい。

焦らなくていいんだ。今は、今日の私の気持ちをそのまま両親に伝えればいいんだ。

そう思いながら、足早に家へと急ぐ。


「ただいまー」

思いのほか、玄関のドアも私の気持ちも軽かった。

「おかえり、うた」

お父さんもお母さんも、笑顔で迎えてくれる。

私がいない間は2人で、きっと私の話をしていたのだろう。

「さ、紅茶入れるから、うたの買ってきてくれたデザート食べましょ」

お母さんはさっそくキッチンに立ち、お父さんはソファーに新聞を置いてダイニングテーブルに座る。