ユキヤナギの丘で、もう一度君を好きになる

「はは、そうか」

ゆっくりとうなづいたハルは体ごと私に向けて、僕はね、と前置きして静かに話し続けた。

「気持ちを落ち着かせるのも大事だと思うけど。ケンカになってもいいから、うたの気持ちを伝えるべきだと思うよ」

「ケンカになっても?」

そんな状況で、私の気持ちなんて伝えることができるだろうか。

「うん、だって家族だもん」

自信を持った口調でハルは言う。

「家族だから?」

「うん。僕はそう思うよ」

こんな風に、自分の意見を言えるのはハルの凄いところだと思う。

「家族だって、ちゃんと言葉にしないと伝わらないこともあるんじゃないかな」

言葉にして、伝える?

そうだ。今の私に足りないのは、自分の気持ちをちゃんと言葉にして伝えるということだ。

ハルみたいに私は素直になれない、ずっとそんな風に思っていた……ううん、思い込んでいた。

「うん、そうかも」

そう答えた私に、ハルは優しい笑顔をくれる。

「うたは、1人で溜め込んじゃうところがあるのかな」

「え?ああ、うん。ハルみたいに素直じゃないから」

こんなに、自分の気持ちや性格を人に話すのは初めてだった。

恥ずかしくて、くすぐったくて。

でも、なんだか嬉しくて。