ユキヤナギの丘で、もう一度君を好きになる

こんな時、泣けたら何かが違ってくるだろうか。

涙を流すことで、気持ちが楽になるのだろうか。

抱えた膝に顔を埋める。

泣こうとしても、涙は出て来なかった。

私は、女優さんにはなれないな。そんなどうでもいいことばかり頭に浮かぶ。

そういえば、コンビニで買ったデザートもそのまま置いてきちゃったな。

お母さんとお父さんは、今頃どんな会話をしているのだろう。私のことを心配してくれているかな。

もう少し気持ちが落ち着いたら、帰ってちゃんと謝ろう。

自分の気持ちを、そのまま伝えたらいい、それだけなんだ。


普段から色々と考えすぎてしまって後悔することが多い私。頭の中を空っぽにできたらいいのに。

もちろん空っぽにすることなんかできずにグルグルしていると、ふと、足元の芝生が動いたような気がした。

こんな時間に公園に足を運ぶ人はあまりいない。

どうせ気のせいか、よくて野良猫だろう。そう思いながらこわごわ、ゆっくりと顔を上げる。


「だっ⁈」


びっくりしすぎて思わず変な声が出てしまった。