ユキヤナギの丘で、もう一度君を好きになる

ハルと、両親のことがチラチラと頭に浮かんでは消えていく中、私は黙々とパスタを口に運ぶ。

「うた、もうちょっと味わって食べなよ。誰も取ったりしないから」

そんな友達の一言で、テーブルに笑いが起きる。

「だって、みんなと食べると美味しくて」

気心知れた、気負わない仲間たち。

こんなに楽しいんだもの。

せめて連絡くらいしようかな。

でも娘が楽しいのは両親だって嬉しいはず。そんな風に自分に言い聞かせる。

楽しい時間はあっと言う間にすぎ、喉が枯れるほど一日中喋り続け、次に会う約束もして友達と別れた。

薄暗い駅からの帰り道、騒がしかった周りが急に静まり返る。

ついさっきまでみんなと繋がっていた糸が、プツリと切れてしまったようで寂しく、何だか心許ない気持ちになり、家路を急ぐ。

スマホを見ると、やっぱり何度かお母さんからの着信があったようだ。


約束破っちゃったな。


申し訳なく思い、私は帰り道のコンビニでデザートでも買うことにする。

お母さんの好きなプリン、お父さんの好きなシュークリーム、私の好きなロールケーキ。みんなで食べよう。