ユキヤナギの丘で、もう一度君を好きになる

そんな捻くれたことを思いながらも、ハルが同じ気持ちでいてくれたことに嬉しくなり、迷わず頷く。

「よし、決まり!じゃあその時は弁当を買いに行こう」

「あはは、ハルは食べ物ばっかりだね」

「何を食べるかは大事だよ」

真面目な顔で言うから、思わず吹き出してしまう。

私に笑われていることなど気にもとめずに、ハルはいい天気だ〜なんて能天気なことを言いながら、芝生にゴロンと寝転んだ。

眩しく照らす陽射しに眼を細めるハル。私には、そんな君が眩しくて仕方ないんだよ。

きっとハルは、自分が素直だなんて思ってるわけじゃない。そもそもそんなことを意識しないのが、素直の定義だと思うし。

いろんなことを意識しすぎてしまう私には、やっぱり難しいんだろうな。

君といたら、私ももう少し素直になれるだろうか。

ハルは少しの間、桜の木を眺めていたが、眩しいのか目を閉じた。

そしてそのまま暫く黙っていた。

眠ってしまったのかと思うほど、長い時間。

太陽はオレンジ色になり少しずつ西に傾き始め、いつの間にか桜の木の影が2人を包んでいた。

私はその間ずっとユキヤナギを見つめたり、寝転んだハルのひざ小僧に目をやったりしてゆっくり流れる時間に身を任せていた。