ユキヤナギの丘で、もう一度君を好きになる

「僕も……この丘にはたくさん思い出があるんだ」

はしゃいでいる時とは違う、落ち着いた声が響く。

1人でいる時とはまるで違う場所のように感じられるから不思議だ。

「そう。ハルも家族と来たの?」

もしかしたら小さい頃にここで会ってるかもしれない、と私は少し嬉しくなる。

「んー、どうだったかなぁ?父さんとも来たかもしれないな」

遠い昔のことを懸命に思い出そうとしているような様子がおかしかった。

「友達と?もしかして……彼女と?」

最後のは半分冗談だった。

それなのにハルは、白い肌を少しだけピンクに染めて「まあ、そんなとこかな」なんて言いながら遠くを見つめた。

おいおい、マジで彼女かよ。

今一緒にいる私が言うのもなんだけど、何となくハルが彼女を連れて歩いてるのは想像できなかった。

そして、ちょっとだけ羨ましかった。

それを思い出しているハルが、とても幸せそうに見えたから。