ユキヤナギの丘で、もう一度君を好きになる

「あの丘で、食べようか」

私は少しモヤッとしてしまった空気を変えようと提案をした。

「うん、そうだね。そうしよう」

そう答えながら、またパンの匂いを嗅いでいる。

不思議な存在のハル。

分かりやすい素直な部分と、まだ私には踏み入れることのできない影の部分を持ち合わせていて。

そんな捕らえどころのなさと曖昧さが、私にもっとハルを知りたいと思わせていた。

また、少し早足のブルーの背中を見つめる。

「うた、バイトは何してるの?」

「コンビニ」

「へぇ、そうか、コンビニか」

ハルも私のことを知りたいと思ってくれているのだろうか。

そうだったら、嬉しい。


それからあの丘に着くまでの短い間に、お互いにたくさんの質問をしあった。

ハルにはお姉さんがいること、運動が苦手だから合唱部だったこと。


卒業式では、少し泣いてしまったこと。


少しだけど、ハルのことを知ることができた。そして、私のことも知ってもらえた。