ユキヤナギの丘で、もう一度君を好きになる

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桜も散り始め、短大の入学式ももうすぐそこに迫っていた。

すっかり元気になった私は、通常運転の日常に戻り、バイトへも復帰したし友達とも会った。

そんな普通に過ごす日々はなんだか久しぶりのようで。でも、それが私の中の湿っぽい感情を徐々に乾かしてくれていた。

あれから私はユキヤナギの丘へと足を向けることもなかった。

ハルを忘れたわけでもなく。忘れようとしているわけでもない。

ハルが私の心にポッカリと開けた大きな穴は、そんなにすぐには埋まらない。

ゆっくりと、ゆっくりと。

私のペースで、自然に、この出来事を受け入れていくしかない。そう思っている。というか、そうするしかなかった。


「ただいまホットコーヒーが100円と大変お買い得となっております、いかがでしょうか?」

レジを打つ手を止めることなく笑顔を見せる。もうお手の物、いつもの作り笑顔。

「ありがとうございました〜!」

もう少ししたらこのコンビニにもピカピカの制服を着た新入生が新鮮な風を吹き込んでくれるだろう。

私も同じ新入生だ。

新しい生活は、私をどんな風に変えてくれるのだろう?そうだ、新しい服を買おう。もう制服を着ることもないのだから。

そんなことを考えながら品出しの手を止め外を見ると、優しい風に乗って桜の花びらが舞うのが見える。


桜……散っちゃうな。


ハルは、どこからこの桜を見ているのだろう。