ユキヤナギの丘で、もう一度君を好きになる

それから式の打ち合わせと簡単なリハーサルを終えた僕らは、旅の疲れを癒す美味しいディナーを食べ上機嫌だった。

明日の式の為にワインは我慢したけれど。


「あー、やっぱり疲れたな」

僕は部屋に入るなりベッドに倒れこんだ。長旅と慣れないリハーサルに、なんだか身体がふわふわしている。

「んー疲れたね。今日は早く寝て、明日に備えよう」

詩織も隣りのベッドに寝転ぶ。もうそのまま寝てしまいそうな勢いだ。

「おーい、まだ寝るなよ」

「大丈夫。先にお風呂入ってくる」

そう言ってベッドからゆっくりとおり、洗面所へと入って行く詩織。

まだ実感は沸かないけれど、僕たちはもう夫婦なんだ。明日の式が無事に終われば実感も湧いてくるのだろうか。

そんなことを考えていたら、いつの間にかウトウトしてしまったらしく風呂から上がった詩織に「ちゃんとお風呂入ってよね」なんて早くも嫁さん気取りで起こされた。

少し狭いが清潔な湯船に肩までつかると、心身ともにホッとする。

これからは、僕が詩織を守るんだ。

もちろん詩織はそんな僕を支えてくれるだろう。

子供だってできるだろう。詩織はしっかりとしたお母さんになりそうだ。

僕は、どうかな。

父親になる、なんて。

まだ見ぬ詩織との未来に想いを馳せる。