ユキヤナギの丘で、もう一度君を好きになる

ホテルでチェックインを済ませ、早速部屋へと向かう。ここで式を挙げる僕たちには、なかなか豪華な部屋が用意されていた。

「わあ!眺め最高!」

ベランダから外の景色を眺めた詩織が声をあげる。その声につられて僕も急いで荷物を置いてベランダへと出る。

「本当だ、最高だね」

緑眩しい木々の間にホテルの横から伸びる真っ直ぐな道、青い空。少し遠くには湖も見える。

「本当に来たんだね、北海道」

しみじみと感慨深く詩織が呟く。

それもそうだ、ただの旅行ではない。僕たち2人にとっては忘れることのできない大切な旅なんだ。

「うん……そうだな」

深く、深く深呼吸をする。

「あれ?春太緊張してるの?」

そんな僕を見て茶化す詩織を僕は「いいや」と軽くかわす。

そりゃ緊張もするさ。一生に1度の結婚式だぞ。失敗なんかしたら後々まで笑いのネタにされてしまう。

「さ、式場見に行こうよ」

いつの間にか部屋に戻って荷物の整理をしていた詩織が催促する。

「ああ、うん」

僕はもう一度、ベランダからの景色を眺めてから部屋へと入る。

しかし部屋に詩織の姿はなく、おいていかれてしまったのかと思い慌ててカバンを手にすると。

「お風呂もなかなか綺麗だよー」

洗面所から詩織の声が響いている。

あはは、相変わらずのマイペースだな。

そんな、いつもと変わらない詩織に僕は救われる。