ユキヤナギの丘で、もう一度君を好きになる

前日に婚姻届を提出し晴れて夫婦となったばかりの僕たちは、とうとう北海道の地へ降り立っていた。

飛行機で行けば2時間余り。
日本は思っていたよりも狭いんだな、なんて。

「意外と暑いんだね」
「……うん」

涼しくて爽やかなイメージしかなかった北の大地。予想外に日差しは強いが湿度が低いからか、不快感はそれほどない。

明日の式の打ち合わせや準備のため、僕らは空港から直接式場であるホテルにタクシーで向かう。

都会から少し離れた場所にあるそのホテルへ向かう道は段々と建物が少なくなり、あっという間に木々に囲まれていた。

「ほんと、真っ直ぐだね」

詩織が木々の間に続く長い一本道を見ながら呟く。

「うん。北海道に来たって感じだな」

「北海道に初めて来られた方は、皆さんそうおっしゃいますね」

慣れた手つきでハンドルを握る運転手さんが私たちの会話に反応する。

「はは、そうですよね。こんな綺麗で真っ直ぐな道は、ここにしかないですよ」

僕がそう言うと人の良さそうな運転手さんは誇らしげに微笑んだ。

「お客さん、そのホテルってことは新婚さん?」

「あ、はい」

新婚さん……。

なんだか照れてしまうその響き。

「そっかぁ。それはおめでとうございます。どうりで幸せオーラが出てるはずだ」

「いやぁ、ありがとうございます」

もちろん満更ではない。

なかなか饒舌な運転手さんと、外の景色を楽しみながらホテルへと到着した。