「俺のことは関係ないが、残愧の念は貴様にも言えることだろう。俺に嘘を付いたんだからな。」



なんだか蜜穿に裏切られたような口振りだ。



「なんや、お巡りさん。逮捕しよう思おとるうちのこと信じたんかいな。アホやろ。」



「え?ことりちゃん、蜜穿に嘘付かれたん悲しかったんかいな。」



「そ、そんなことを思うか!貴様らと話すと疲れる。」



意外そうな涓畤壟に居心地が悪くなったのか、殊犂は仕事だと言って出ていった。



「お仕事で来はったんとちゃうの?」


「多分そーやと思うけど。」



突然の切り替えに碑鉈と柿蒲は不思議そう。



「ことりさん、図星みたいやったね。」


「変なんに好かれたもんや。」



剣と鰍掩は、殊犂の変化にピンときたらしい。



ただ鰍掩は、住む世界が違い過ぎると思った。



楮筬から聞く限りでは、同じ暴力団の括りとはいえ、悪い噂しか聞かない廓念会。


仲が悪いだけが原因ではなく、朽霊会と廓念会とは根本的な考え方が違うらしい。



重宝しているハニービーを廓念会の人間が手放すはずがない。



蜜穿を巡って抗争なんかが起きなければいいが、と鰍掩は祈った。