とんでもなく変なことを口走ってしまった恥ずかしさに、わたしは俯く。
これじゃドMだと思われてもしょうがないよ。
そんなことを思っている矢先、
「お前、ドMだったんだな。」
沈黙を破ったのはせんせーだった。
俯いていた顔をそろり、とあげればそりゃあもう獲物を見つけた獣のようにギラギラと目を輝かせているユキヤせんせー。
この笑顔をわたしは見たことがある。
そう。
補習をやることになった日に見た、あの笑顔。
恥ずかしさなんてものは跡形もなく姿を消して、残るのは後悔の念ばかり。
「いいぜ。そんなに言うんだったらこのオレの、とても貴重で、大切な時間を削ってお前の面倒を見てやるとしよう。」
「や、でも、やっぱり、その結構で…、」
「あ?」
「是非ともよろしくお願いいたします!」
うぅ。
あんなヤンキーみたいな顔で凄まれたら、断れるわけないじゃないかぁあ!!
SとMは、それこそ磁石のように引き合わされてしまう運命なのかもしれない。
いや、わたしがMとか決してそういうわけじゃないけれど。
仮にMだったとしたらの話ね!!
「じゃ、さっさと続きやって。」
「………はい。」
嬉しさ半分、絶望半分な気持ちのまま。
わたしと先生の補習授業は、とりあえず中間テストまでじゃなくなったのであった。
