昨日来たときは1つしかなかったはずの椅子が2つに増えていた。
わたしのために用意してくれたんだと思うと、少しだけ嬉しいような…気がしなくもない。
「とりあえず、高一の復習からだな。」
せんせーから渡されたプリントに目を通す。
ずらっと並んだ数字の羅列に、目が回りそうだ。
これを今から解くのか…。
分かりやすくうなだれるわたしを見て、ユキヤせんせーは軽くため息をつくと。
「一通り自分で解いてみて、どうしても分からないところがあれば聞け。教えるから。」
「……はーい。」
そう言うとせんせーは、もう1つの椅子ではなくソファに座ってしまった。
なんだ…、隣じゃないんだ。
ちょっぴり残念な気持ちになるわたし。
ん?
せんせーが近くに居ない方がドキドキしなくて済むのに何故残念がる。謎だ。
「んー…。」
確か、この公式に当てはめて…。
展開?なんだっけそれ。
ぶつぶつ呟きながら、問題を解き進める。
集中力とは怖いもので、気がつけばプリントをやり始めてから30分が経過していた。
わたしでもこんな集中することあるんだ。
自分で自分にびっくり。
「せんせー、終わりましたー。」
「やっとか。」
いちいちムカッとするなこの人は。
やっとか、って。
すみませんね遅くて!
