「なんか悩み事?」

「えっ…!?」


お昼休み。

結局今も二人で屋上に座っていた。

ぽかぽかの太陽が唯一の救い。


「…なんか元気ない」


もぐもぐと頬を膨らませながら、安堂くんが言う。


「え、いや、その…っ」

「なに」

「え!?」

「悩みはなに」


無関心ぽいのに、言葉が強引であたしはその気迫に押された。


「………………、テストが…、その」


本当はテストのことだけじゃないけど。

バレンタインをどうすればいいのかぐるぐるしてるんだけど。

俯いて、ぽつりと言うと、安堂くんから思いもかけない言葉が紡がれた。


「………べんきょー。見てやってもいいけど」