ああ、おかしいな。気持ちが悪い、ふらふらする。 でも一刻も早く、不気味なこの巻物から離れたかった。 急かす、心が。 早くっ、早くっ!早く!! 追い詰められ逃げ場を失った子猫のように、震える心。何をそんなに怯えているの。 「いこっか……」 ぼんやりとする中でも足を運ぼうと、前に進むようと― その時――――… ドンッ!!!!と大きな音がした。 「え!?」 そして、がたがたとまわりが揺れ始めた。 「きゃあっ」 「うわっ」 あまりにも唐突で、声が裏返った。