「分かった……。」
「佑麻?」
「好きにすればいいよ。」
「…おい、」
私の投げやりな返事に、どうも納得のいかないらしい瀬那は、
「…やだ!……もう、知らない!!!」
「っ、」
自分の右手を私の左手へと伸ばしかけてやめた。
正確には私が拒絶したって言うのが、正しいかもしれない。
触れる寸前、「やだ」って…。
初めて触らないで欲しいと思った。
きっと、私は初めて瀬那を全身で拒絶した。
瀬那の驚いた顔を見て、なぜかその場にいられなくなって、もうどこに行くでもなく走って
走りながら涙が出てきて、どうしたら良いのか自分でも分かんない。
一つ分かるのは、やっぱりどうしょうもないほど瀬那が好きだってこと。


