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礼央の家からの帰り道。
何気なく見上げた空には、滅多に見れない綺麗な満月。
イヤホンから流れる曲は、珍しくどこか切ないバラード。
─────ピロン♪♪
不意に制服のポケットの中で震えた携帯へ手を伸ばして、画面に表示された名前に
【森坂 佑麻】
自分でも気付かないうちにフッと笑みが溢れた。
【瀬那!今すぐ外みて!
今日すごい綺麗な満月だよよよ(*゚O゚*)♡】
やっぱり、コイツだけはいつも通り。
例えば、俺の周りの全部が…何らかの変化を遂げたとしても
コイツだけは、佑麻だけは良い意味でも、悪い意味でも今のまま、ずっとずっと変わらないで居てくれる。
そんな気さえすんだよ。


